あ-う(a-u)お-う(o-u)ホウ(hou)
「あう」という読みの漢字はたくさんありますが、
「めぐりあう」と読むのはこの字だけです。
「めぐりあう」と読むのはこの字だけです。
「めぐって」「あう」のですから、
色んな因子が重なってこそようやく叶う「であい」のこと。
本来は、神秘的なものに出くわすことをいい、
夕闇の怪しい頃合を「逢魔時(あうまどき)」といいました。
今は、「遭」がその意味に近いかもしれません。
特には、この文字が使われる場合でいうと、
男女の時を表すことに用いられます。
僕もこの字を意識して使い分ける時があります。
しんにょうは「道」を表し、
「夆」は、「くだる」こと。
「神がおり降って、宿る木」のことをさしました。
神は幻想であったり、憧れであったりをあらわすので、
出逢えた時の感動の大きさによって、「逢」と使うようです。
その昔。
菅原道真公が太宰府へ左遷されたおり、
出立の前に、可愛がっていた一本の梅の木に
歌を詠んで別れを告げたそうです。
その梅が、
一夜にして太宰府へ道真公を追いかけて飛んで行ったことから、
「飛梅」とその梅は名付けられています。
おそらくは、
その梅は女性(にょしょう)だったのではないか。
そんな思いを巡らせて、
10年ほど前に僕が描かせていただいたのが、
手前味噌ではありますが、こちらです。
タイトルは、「逢梅(おうめ)」といい、
大信州酒造様より、現在も好評発売中でございます。
世の中のほとんどのことは、
「めぐりあわせ」によってもたらされているのだな。
と、このお仕事を承った時に、深く考えさせられたものです。
どうか、
それぞれの出逢い一つ一つが、
素晴らしい時間でありますように。
そんな想いを込めて。